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飲食店のエリア選びと業態フィット

飲食店の業態選びと立地選びはセットで考える必要があります。同じ業態でも立地次第で月商が2倍以上振れますし、立地に合わない業態を持ち込むと立ち上がりが極端に遅くなります。本ページでは10都市の賃料・人口・所得データから、エリアごとに有利な業態と不利な業態を整理します。

10都市の主要指標一覧(人口降順)

エリア 人口 平均所得 一等地賃料(中央値)
東京 1399万人 632万円 30,000〜80,000円/坪/月
大阪 884万人 532万円 22,000〜50,000円/坪/月
横浜 377万人 583万円 14,000〜30,000円/坪/月
名古屋 233万人 566万円 18,000〜38,000円/坪/月
札幌 197万人 472万円 13,000〜28,000円/坪/月
福岡 164万人 472万円 13,000〜28,000円/坪/月
神戸 153万人 524万円 11,000〜24,000円/坪/月
京都 146万人 492万円 12,000〜28,000円/坪/月
広島 119万人 491万円 9,000〜20,000円/坪/月
仙台 109万人 499万円 10,000〜22,000円/坪/月

注: 一等地は各都市の最も賃料が高い業務集積エリアの数値。詳細な賃料ティア(一等地/二等地/住宅地/郊外)は各エリアページを参照。

エリア選定の3つの軸

軸1: 賃料水準と業態の整合

飲食店の家賃比率は売上の8〜12%が標準ライン。一等地で坪月商40万円取れる業態(ラーメン・回転寿司)と、賃料水準を抑えて二等地で坪月商25万円取る業態(喫茶店・バー)では、立地戦略が真逆になります。

軸2: 商圏人口と業態のターゲット数

商圏人口(徒歩10〜15分圏)が3万人以下のエリアでは、ニッチ業態(フレンチ・専門料理)はターゲット層が薄く成立しません。逆に大衆業態(居酒屋・ラーメン・カフェ)は1万人商圏でも成立することがあります。

軸3: 平均所得と客単価帯

エリアの平均所得は客単価帯の上限を規定します。平均所得が低いエリアで客単価4,000円超を狙うと、客数が確保できません。逆に平均所得の高いエリアでは、低単価業態は集客はできますが利益率が薄くなります。

エリアタイプ別の推奨業態

大都市中心部(東京・大阪・名古屋の都心エリア)

地方政令市の中心部(札幌・仙台・広島・福岡・神戸の中心街)

住宅街・郊外(駅前商店街・幹線道路沿い)

京都・神戸など歴史・文化背景のあるエリア

賃料逆引き: 一等地賃料からの業態選定

一等地の坪賃料が分かれば、必要な坪月商と業態の選択肢が見えてきます。家賃比率10%を基準にすると以下の目安になります。

一等地坪賃料 必要坪月商(家賃比10%) 該当しやすい業態
20,000円超20万円超都心商業ビル、フレンチ・寿司・高級バー等の高単価業態でないと厳しい
15,000〜20,000円15〜20万円イタリアン・焼肉・寿司の中型店
10,000〜15,000円10〜15万円居酒屋・カフェ・ラーメン・中華等のボリュームゾーン全般
5,000〜10,000円5〜10万円定食屋・喫茶店・テイクアウト等の低投資業態
5,000円以下5万円以下郊外ロードサイド・住宅街の地域密着業態

家賃比率8%や12%で計算した場合は、必要坪月商が25%増減します。FL比率が高い業態は家賃比率を低めに抑える必要があります。

エリア×業態の組み合わせ事例

エリア選定でやってはいけない3つのこと

  1. 家賃の安さだけで決める: 通行量が少ないと売上が立たない。家賃が月15万円安くても、月商が100万円少なければ利益は大きく損なう
  2. 競合店の数だけで判断する: 競合が多い=需要があるエリアという解釈もできる。逆に競合ゼロは需要そのものがない可能性
  3. 居抜き物件の魅力だけで決める: 居抜きで内装費が3割安くても、立地が業態に合っていなければ月商の差で吸収できないことが多い

監修者コメント

私が物件相談を受けるときに最初に質問するのは「想定客単価はいくらか」です。客単価が決まれば、必要な坪月商が逆算でき、家賃の上限ラインが出ます。それを超える物件は、業態を変えるか、客単価を上げるか、坪数を縮めるかの3択になります。「気に入った物件だから契約したい」を起点にすると、業態側を無理に立地に合わせる結果になり、開業後に苦労します。物件は3〜5件並行で検討し、業態の数値モデルとフィットする物件に絞り込むのが定石です。

山本貴大(店舗マーケティング専門家)

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最終確認日: 2026-04-30