飲食店の物件の探し方
物件選びは飲食店経営の成否を大きく左右します。本ページでは居抜きとスケルトンの違い、賃料相場、契約のチェックポイント、商圏分析の手順を解説します。
居抜きとスケルトンの違い
| 観点 | 居抜き | スケルトン |
|---|---|---|
| 定義 | 前店舗の内装・厨房機器が残った状態の物件 | コンクリート躯体のみで内装なしの物件 |
| 初期投資 | 内装工事費を50-70%圧縮可能 | フルスケルトンから設計 |
| 工期 | 2-4週間程度 | 2-3ヶ月 |
| 業態の自由度 | 前業態と近いと活用しやすい | 完全に自由に設計可能 |
| 厨房機器 | そのまま使える場合あり(要点検) | 新規導入 |
| 注意点 | 前店舗の閉店理由・設備老朽化 | 排煙・グリストラップ等の追加工事必要 |
賃料相場の目安(東京圏)
| 立地 | 坪単価(月額) | 主な業態 |
|---|---|---|
| 都心一等地(銀座・渋谷駅前等) | 3-5万円/坪 | 高級レストラン・ブランド店 |
| 都心ターミナル駅前 | 2-3万円/坪 | 居酒屋・カフェ・ラーメン等 |
| 住宅街駅前 | 1.2-2万円/坪 | 定食・喫茶店・パン |
| 住宅街路面店 | 0.8-1.5万円/坪 | 町中華・カフェ・パン |
| 郊外ロードサイド | 0.6-1.2万円/坪 | 焼肉・ファミレス・回転寿司 |
※ 大阪・名古屋・福岡等は東京圏の0.7-0.85倍程度の水準。札幌・仙台等は0.5-0.7倍。
保証金・礼金の目安
- 保証金: 月額賃料の6-12ヶ月分が一般的。都心一等地は12ヶ月以上のケースもある
- 礼金: 月額賃料の0-3ヶ月分(都心は省略されることも)
- 仲介手数料: 月額賃料の1ヶ月分(消費税別)
- 解約時の保証金返還: 償却分(保証金の30-70%)を差し引いた額が返還される契約が多い
商圏分析の手順
- 物件の半径500m / 1km / 3km の人口を把握(市区町村統計・国勢調査)
- 年齢構成・所得帯・世帯構成を把握(住宅街か単身者中心か)
- 競合店舗を実地で確認(営業時間・混雑度・客単価帯を観察)
- 通行量を時間帯別に計測(平日昼・夜、土日昼・夜の4枠×30分)
- 近隣の集客施設(駅・大型商業施設・オフィス)からの動線を確認
契約時のチェックポイント
- 契約期間: 定期借家契約か普通借家契約か。定期借家は更新不可で再契約が必要
- 原状回復義務: 退去時の原状回復範囲(スケルトン戻しか、現況引渡しか)
- 用途制限: 「飲食店」と契約書に明記されているか。深夜営業・酒類提供の制限有無
- 排煙・換気: ビル内の他テナント・近隣住戸への影響、排気経路の確認
- 電気・ガス容量: 業態に必要な容量を確認(厨房機器の総容量)
- 看板の設置可否: 入口・道路側の看板設置の制約(ビルの看板規定)
注意点
- 居抜き物件の前店舗が短期間で閉店している場合は、立地・物件側の問題(人通りが少ない・排煙不可等)の可能性を疑う
- 賃料は「坪単価」で表示されることが多いが、契約書では「月額賃料」「共益費」「平米賃料」等の表記を確認
- 築古ビルは耐震基準・配管・電気容量に注意。リノベーション費用が高額化するリスク
関連ページ
- 開業準備 hub
- 飲食店開業のやることリスト
- 業態別のビジネスモデル図鑑(業態×立地戦略)
開業判断・物件契約前後の相談
記事の内容を自店の状況に当てはめて検討したい場合は無料相談をご活用ください。監修者の山本貴大が支援した店舗の事例ベースで、業態・資金・立地・ライフラインの組み合わせを具体的にお伝えします。
最終確認日: 2026-04-28