飲食店の営業許可・食品衛生責任者
飲食店を開業するには、保健所への営業許可申請と食品衛生責任者の届出が必須です。本ページでは取得の流れ、必要書類、所要期間をまとめました。
必要な許認可の一覧
| 許認可 | 申請先 | 必要なケース |
|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 | すべての飲食店で必須 |
| 食品衛生責任者の届出 | 保健所 | すべての飲食店で必須 |
| 防火対象物使用開始届 | 消防署 | すべての飲食店で必須 |
| 深夜酒類提供飲食店営業届 | 警察署 | 24時以降に酒類を提供する場合 |
| 菓子製造業許可 | 保健所 | パン・洋菓子・和菓子を製造販売する場合 |
| 風俗営業許可 | 警察署 | キャバクラ・スナック・接待を伴う飲食店 |
食品衛生責任者の資格取得
飲食店ごとに最低1名の食品衛生責任者の配置が必要です。以下のいずれかで取得できます。
- 食品衛生責任者養成講習会(1日6時間、受講料約10,000〜12,000円)
- 調理師・栄養士・製菓衛生師・船舶料理士・と畜場法に基づく衛生管理責任者・食鳥処理衛生管理者などの有資格者は講習免除
- 講習会は各都道府県の食品衛生協会が実施。ウェブで予約申込(東京都は1ヶ月先まで埋まることが多いため早めの予約推奨)
- e-ラーニング形式の受講も可能(自治体により対応)
施設基準の主要項目
営業許可の現場検査では、施設の構造・設備が食品衛生法の基準を満たしているかが確認されます。図面段階で保健所事前相談を受けると、後の手戻りを防げます。
| 区分 | 主な基準 |
|---|---|
| 客席と厨房の区画 | 明確な区画(壁・カウンター等)で分離 |
| 手洗い設備 | 厨房内・トイレ内に専用の手洗い場(自動水栓・センサー水栓推奨) |
| シンク | 厨房に2槽シンク以上(食材洗浄+食器洗浄の動線分離) |
| 給湯設備 | 給湯器(湯沸し器)の設置 |
| 冷蔵・冷凍設備 | 食材温度管理に十分な容量、温度計の設置 |
| トイレ | 客席エリアからの動線、手洗いの設置、扉の遮蔽 |
| 排水・排気 | グリストラップ設置、適切な排気ダクト |
| 食品保管 | 戸棚・パントリーで床から離した状態で保管 |
営業許可の申請手順
- 事前相談(保健所窓口、無料): 内装工事前に施設基準を確認。図面を持参し、検査時の指摘ポイントを事前に潰す
- 必要書類の準備: 営業許可申請書、施設の構造設備平面図、食品衛生責任者の資格証、登記事項証明書(法人の場合)、水質検査成績書(井戸水使用時)、配置図
- 申請書提出 + 申請手数料: 約16,000〜18,000円(自治体・業種で変動)
- 施設の現場検査: 保健所担当者が立ち会い、所要約30〜60分。検査前日までに清掃・設備の動作確認
- 許可書交付: 申請から約2〜3週間。検査で指摘があれば是正後に再検査
- 営業開始: 許可書を店内の見やすい場所に掲示
必要な許認可の取得タイミング
| タイミング | 許認可・届出 | 申請先 |
|---|---|---|
| 開業3〜4ヶ月前 | 食品衛生責任者の資格取得 | 食品衛生協会 |
| 内装工事前 | 保健所事前相談 | 保健所 |
| 内装工事完了の2週間前 | 営業許可申請 | 保健所 |
| 内装工事完了直後 | 防火対象物使用開始届 | 消防署 |
| 営業開始10日前まで | 深夜酒類提供飲食店営業届(深夜営業の場合) | 警察署 |
| 営業開始日 | 個人事業の開業届 or 法人設立届 | 税務署 |
| 従業員雇用後 | 労災保険・雇用保険加入 | 労基署・ハローワーク |
深夜酒類提供飲食店営業届の要否
0時以降に酒類を提供する店舗は警察署への届出が必要です。「居酒屋・バー・スナック」が該当しますが、要件は厳しく、以下の点に注意してください。
- 用途地域の制限: 商業地域・近隣商業地域のみ。住宅地での深夜酒類営業は不可
- 店内構造: 客室の見通しを妨げる仕切り・個室は原則禁止
- 客室の床面積: 1室あたり9.5㎡以上(ただし1区画のみは適用外)
- 照度: 客室内10ルクス以上(暗すぎる照明は不可)
- 接待の有無: 接待行為(横に座って酒を注ぐ等)を伴う場合は風俗営業許可が別途必要
HACCP対応について
2021年6月から、食品関連事業者には HACCP に沿った衛生管理が原則義務化されています。飲食店は「HACCP の考え方を取り入れた衛生管理」を実施する必要があり、衛生管理計画書の作成と日々の記録が必要です。詳細は HACCP対応 を参照。
注意点
- 営業許可は施設に対して付与されます。経営者が変わっても物件と設備が同一なら新規取得は不要なケースも(要保健所確認)
- 飲食店営業許可の有効期間は5〜8年(自治体により異なる)。更新時期に手続きが必要
- 「居抜き物件で前営業者の許可がまだ有効」でも、経営者が変わる場合は新規許可申請が必要なケースが多い
- 居抜き物件で設備の老朽化があると、現場検査で「設備不備」として指摘され、改修後の再検査になる場合がある
- 最新の手続き・手数料は 厚生労働省 食品衛生法に基づく営業許可制度 および所轄の保健所で確認
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最終確認日: 2026-04-29