飲食店の内装工事費用相場
飲食店の内装工事は、業態と物件状態(居抜き or スケルトン)で坪単価が大きく振れます。本ページでは坪単価の業界平均、工期、業者選定のコツをまとめました。
業態別の坪単価目安(スケルトンから新装の場合)
| 業態 | 坪単価 | 30坪換算 |
|---|---|---|
| カフェ・喫茶店 | 20-50万円 | 600-1,500万円 |
| 居酒屋・バー | 25-60万円 | 750-1,800万円 |
| ラーメン・定食 | 20-45万円 | 600-1,350万円 |
| 焼肉 | 40-80万円 | 1,200-2,400万円 |
| 寿司・割烹 | 40-100万円 | 1,200-3,000万円 |
| イタリアン・フレンチ | 30-80万円 | 900-2,400万円 |
| テイクアウト・弁当 | 15-30万円 | 450-900万円(小坪推奨) |
居抜き活用での圧縮テクニック
- 同業態の居抜き: 内装費50-70%圧縮、厨房機器も流用可
- 異業態の居抜き: 30-50%圧縮、厨房機器は買い替えが多い
- 厨房機器の中古活用: 新品の30-50%程度で調達可能
- カウンター・テーブルの自社調達: 既製品を組み合わせて造作家具より圧縮
工期の目安
| 工事種別 | 工期 |
|---|---|
| 居抜き軽改修(清掃・部分塗装・看板変更) | 2-4週間 |
| 居抜き中改修(厨房機器入れ替え・客席レイアウト変更) | 1-2ヶ月 |
| スケルトンからの新装(標準業態) | 2-3ヶ月 |
| 大型店・特殊業態(焼肉の排煙設備等) | 3-5ヶ月 |
内装工事の費目内訳(30坪・スケルトン居酒屋・坪単価35万円のケース)
「内装工事1,000万円」と一括りにされる金額の中身を分解すると、以下のような構成になります。費目ごとに業者選定・グレード調整の余地があるため、相見積もりでは項目別に比較します。
| 費目 | 金額(万円) | 構成比 |
|---|---|---|
| 解体・撤去工事 | 50 | 5% |
| 木工・造作工事(カウンター・棚等) | 200 | 19% |
| 内装仕上げ(床・壁・天井) | 180 | 17% |
| 給排水・衛生設備 | 120 | 11% |
| 電気設備(配線・照明・分電盤) | 120 | 11% |
| 空調・換気・排煙設備 | 180 | 17% |
| 厨房機器・据付 | 100 | 10% |
| 看板・サイン | 40 | 4% |
| 諸経費・現場管理費 | 60 | 6% |
| 合計 | 1,050 | 100% |
業態・立地・物件特性で構成比は変動します。焼肉は排煙設備が25〜30%まで膨らむ、ラーメンは厨房機器が15〜20%まで増えるといった偏りが出ます。
居抜き vs スケルトンの判断基準
| 判断軸 | 居抜きが有利 | スケルトンが有利 |
|---|---|---|
| 初期費用 | ○ 30〜50%圧縮可能 | × |
| 工期 | ○ 1〜2ヶ月で開業 | × 2〜3ヶ月以上 |
| 業態の自由度 | × 前テナントの設備に制約 | ○ 完全に自由 |
| 厨房レイアウトの最適化 | × | ○ |
| 客席のブランディング | △ | ○ |
| 造作譲渡費の発生 | × 50〜300万円が相場 | ○ 発生せず |
| 設備の老朽化リスク | × 既存設備の修繕費が後発 | ○ |
居抜きで必ずチェックすべき項目
- 厨房機器の年式・稼働状況(10年超の業務用冷蔵庫は買い替え検討)
- 排気ダクト・グリストラップの清掃状態(前店の油汚れが残ると保健所検査で指摘)
- 給排水管の腐食・詰まり(飲食店は油・食材で配管が傷みやすい)
- 電気容量(業態変更で容量不足になると追加工事が必要)
- 造作譲渡契約の範囲(何をどこまで引き継ぐかを書面で明確に)
居抜き活用での圧縮テクニック
- 同業態の居抜き: 内装費50〜70%圧縮、厨房機器も流用可。ベストケース
- 異業態の居抜き: 30〜50%圧縮、厨房機器は買い替えが多い。配管・電気容量の流用は要確認
- 厨房機器の中古活用: 新品の30〜50%程度で調達可能。テンポスバスターズ・厨房屋等で1年保証付きの中古機が買える
- カウンター・テーブルの自社調達: 既製品(IKEA・業務用家具店)を組み合わせて造作家具より圧縮
- 厨房機器のリース: 主要機器(冷蔵庫・食洗機・フライヤー)をリースにして初期負担を月額化
- 看板・サインの内製: 既製の電飾枠+シート印刷で費用を1/3〜1/2に圧縮可能
工期の目安
| 工事種別 | 工期 | 主な作業 |
|---|---|---|
| 居抜き軽改修 | 2〜4週間 | 清掃・部分塗装・看板変更・什器更新 |
| 居抜き中改修 | 1〜2ヶ月 | 厨房機器入れ替え・客席レイアウト変更・サイン更新 |
| 居抜き大改修(スケルトン戻し含む) | 2〜3ヶ月 | 解体+再構築。スケルトンに近い工期 |
| スケルトンからの新装(標準業態) | 2〜3ヶ月 | 解体・配管・電気・内装・厨房・サインのフルスコープ |
| 大型店・特殊業態(焼肉の排煙設備等) | 3〜5ヶ月 | 排煙・防火区画・特殊設備の認可待ちを含む |
業者選定の5つのポイント
- 飲食店専門の実績: 飲食店の内装工事は排煙・グリストラップ・配管等の特殊知識が必要。実績ポートフォリオを確認し、同業態の施工経験があるか確認
- 相見積もり3社以上: 最低3社で見積もりを取り、坪単価と内訳を比較。見積もり項目の標準化(同じフォーマットで提出)を業者に依頼すると比較が明確に
- 保健所・消防署対応の知見: 飲食店の内装は保健所と消防署の検査が入る。検査基準を熟知した業者なら、図面段階で適合性を確認できる
- 工事保証・アフターサービス: 開業後の不具合対応の体制(保証期間・対応スピード)を契約前に確認。標準保証は1年、設備類は別途
- 支払条件の確認: 着工金30%・中間金30%・完工金40%が標準。100%先払い要求は要警戒
注意点
- 内装工事費は資金計画上の最大費目になりやすい。見積もり段階で物件契約・融資申込・厨房機器調達の3つと整合させる
- 図面確定後の仕様変更は追加費用の発生源。契約前に図面・仕様書のレビューを念入りに行う
- 排煙・防火区画・避難動線は消防署検査の必須項目。図面段階で消防への事前相談(無料)を行うと差し戻しを防げる
- テナント物件は「原状回復義務」が契約に含まれることが多い。退店時の費用も初期に概算しておく
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最終確認日: 2026-04-29